ニュー資金別貸借対照表を作成してみましょう
ニュー資金別貸借対照表の、フォームを提示します。
現預金 | 損益資金 | |||
| 前払費用 | 前受収益 | ||
長期前払費用 | 引当金 | |||
株主配当金 | 利益準備金 | |||
任意積立金 | ||||
前期繰越利益剰余金 | 30 | |||
小計 | 小計 | |||
差・繰越損益等 | 30 | |||
売上原価 | 150 | 売上高 | 200 | |
販売一般管理費 | 20 | 営業外収益 | 10 | |
営業外費用 | 5 | 特別利益 | 0 | |
特別損失 | 2 | (税引前利益) | ( ) | |
法人税等 | 0 | (当期利益) | ( ) | |
63 | 運用額合計 | 177 | 調達額合計 | 240 |
売上仕入資金 | ||||
売上債権 | 17 | 買入債務 | 12 | |
前受金 | ▲ | 前払金 | ▲ | |
▲5 | 運用額合計 | 17 | 調達額合計 | 12 |
58 | 継続損益資金 | |||
固定資金 | ||||
▲5 | 棚卸資産 | 5 | ||
53 | 実質損益資金 | |||
資本準備金 | 5 | |||
資本金 | 45 | |||
50 | 調達額合計 | 50 | ||
103 | 真正損益資金 | |||
固定資産 | 90 | |||
投資等 | 0 | |||
▲90 | 運用額合計 | 90 | ||
13 | 正味損益資金 | |||
長期借入金 | 30 | |||
設備未払金 | 0 | |||
社債 | 0 | |||
30 | 調達額合計 | 30 | ||
43 | 安定資金 | |||
流動資金 | ||||
2 | 短期借入金 | 2 | ||
45 | 修正安定資金 | |||
| 未収収益 | 1 | 預り金 | |
有価証券 | 未払費用 | |||
仮払金 | 仮受金 | |||
▲1 | 運用額合計 | 1 | 調達額合計 | 0 |
44 | 現預金合計 |
ステップ1 貸借対照表、損益計算書の数値を記入します。
フォームの中に、勘定科目が無かった場合は、資金の性格の合うところに別途作成します。
税引前利益、当期利益は、参考値ですので計算の対象外です。
ステップ2 調達額合計、運用額合計の計算をします。
ステップ3 調達額合計から、運用額合計を引いて、現預金欄に記入します。
運用額合計が、無い場合は、調達額合計をそのまま、現預金欄に記入します。
調達額合計が、無い場合は、運用額合計に▲をつけて、現預金欄に記入します。
ステップ4 埋まらない項目があると思いますが、 以下で、説明しています。
その項目を、埋めると完成です。
埋まらない項目について、これから説明します 。
この説明する項目が、財政状態などを、判断するための指標となってくる、重要な項目です 。
継続損益資金
損益資金+売上仕入資金が、継続損益資金です。 継続資金は、会社の手元に残る資金です。 利益が発生していても、売掛金が多額であれば 、会社にお金が入って来ません。
売上仕入資金が、多額のマイナスであるような場合、利益が出ていても、「勘定合って銭足らず」の状況になり、黒字倒産の可能性があります。
企業の継続に関係してくるため、継続資金と名付けられています。
実質損益資金
継続損益資金ー棚卸資産が、実質損益資金です。
内部留保を含め、企業が獲得した損益資金の、最終的なキャッシュベースの利益の額です。
(売上債権ー仕入債務)+棚卸資産は、「必要運転資金」と呼ばれています。
売上仕入資金と棚卸資産の合計は、必要運転資金と同義です。
損益資金が、必要運転資金を賄っているのです 。
実質損益資金が、必要運転資金を賄っていないと、マイナス残高になります 。
真正損益資金以降の損益資金は、企業の営業努力によって獲得する、損益資金そのものではありません 。
真正損益資金
実質損益資金+資本金+資本準備金(以下資本金等と呼ぶ)で、計算します。
真正損益資金は、創業以来獲得した損益資金と、株主払込金(資本金+資本準備金)の合計で、 会社の持分を示します。
自社資金の残高を、示すものです。
実質損益資金がマイナスだと、真正損益資金は、資本金等の額よりも小さい場合になります、
会社の資金状況は、真正損益資金が、どのような状況にあるかで、分かりますので、非常に大切な指標になります 。
正味損益資金
正味損益資金は、真正損益資金ー固定資金運用額(棚卸資産を除く)で計算されます、
会社の持分である真正損益資金をもとに、設備投資をした後の残高が、正味損益資金です。
普通の会社はマイナス残高になり、長期借入金などの外部調達資金で、プラス残高にするのが通常です。
安定資金
安定資金は、正味損益資金+長期借入金等で計算されます。
損益資金、売上仕入資金、固定資金の合計でも計算できます。
安全資金は、資金がどの程度余裕があるか、を示しています。
修正安全資金
安定資金に、短期借入金を加えた項目が、修正安全資金です
安定資金のマイナスを、短期借入金で、穴埋めするのです。
多額の短期借入金があるような場合、資金的に、切羽詰まった状況にあると言えます。
これらの項目については、後で詳しい説明をいたします。